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Startupインタビュー

三根 一仁 (株式会社SenSprout 代表取締役)

ビニールハウス等のハード面から野菜の流通、そして栽培ノウハウのコンサルテーションを含めたサービスの提供で農業の新規参入を支援する

御社の事業について具体的に教えていただけますか?

SenSproutの事業は大きく分けて二つあります。一つは、大企業を含めた農業に新規参入したい方々に向けて、土壌水分センサーやビニールハウスなどのハード面と栽培ノウハウなどの生産面も支援したソリューション「高機能ビニールハウスソリューション」の販売。もう一つは、野菜の流通です。

高機能ビニールハウスソリューションは、事業提携先である株式会社果実堂、株式会社果実堂テクノロジーと共同開発したソリューションです。果実堂さんは、熊本県で700棟のビニールハウスを持っており、日本で最も多くのベビーリーフを生産しています。ベビーリーフの生産は年に7回転が基本なのですが、果実堂さんは年に14回転です。全てのハウスに弊社の土壌水分センサー「SenSprout Pro(センスプラウト プロ)」を導入して高度な栽培ノウハウの見える化を実現した結果、安定して年に14回転の生産ができるようになりました。

高機能ビニールハウスソリューションは、果実堂さんが日頃から使っている土壌水分センサーと灌水制御装置が組み込まれたビニールハウスと、見える化された栽培ノウハウがセットになっており、実際に農業に新規事業参入する際に導入しやすいような形を作っています。

“イノベーションの真ん中にいたい”「リアル×IT」の次世代イノベーションを通して「儲からないから」と衰退しゆく農業を収益性の高いビジネスへ

三根さんは多様な人生キャリアをお持ちですが、起業からここまでに至った経緯を教えていただけますか?

大学卒業後、SONYに入社しました。SONYに入社したのは、日本からテクノロジーを発信していけるしブランド価値も高いと思ったからです。このままSONYで頑張ろうと考えていたのですが、Googleの日本法人立ち上げの社員として転職をした同期に「研修をシリコンバレーでやるから遊びに来なよ」と誘われて遊びにいったことがキッカケで起業をします。

当時Googleはまだ5000人もいないくらいの頃です。社員ひとりひとりに個室があって、例えば、暗室みたいに真っ暗にしている人や、犬を飼っている人もいて、キャンパスのような感じで働いていたんですね。いい意味でも悪い意味でも日本の会社からすると自由で緩い感じだったのですが、それを含めて「21世紀はGoogleの時代だな」という衝撃を受けました。それで、帰国して日本でもそういう会社を作ろうと起業したのがインキュベーションの会社insproutです。

様々なインキュベーションを行う中で、2007年にCerevoという家電ベンチャーを現メルカリの山田進太郎と、東大の川原教授と立ち上げました。Cerevoはその後バイアウトしたのですが、そのタイミングで川原教授と「一緒にまた事業をやりたいね」という話になり、色々とアイデアを持ち寄った中のひとつが電子回路を印刷できる技術「プリンテッド・エレクトロニクス」を使った土壌水分センサーです。そこから、放課後プロジェクト的にSenSproutの事業がはじまります。

エンジェル投資等も通じてさまざまな分野に触れる機会が多い中で、三根さんがSenSproutの事業領域に注力されているのはなぜなのでしょうか?

私自身が「イノベーションの真ん中にいたい」という思いがあるからだと思います。インターネットは2000年前後から盛り上がりをみせたが、振り返ると色々な波がありました。例えば、ソーシャルゲームの波や、ガラケーからスマホに変わったという波もある。そういう波が起きる度に、イノベーションが起こって色々な企業が出てきました。ただもう、インターネットだけで完結するサービスなどはネタ切れだと思うんです。では次のイノベーションは何だろうと考えると「リアル×IT」「リアル×インターネット」にAIが絡んでくる分野なんだろうなと思っています。私がアグリテックをやり始めて、今も注力し続けているのはそういった理由です。

今後の展望を教えてください。

今回、ビニールハウスのソリューションを大和フード&アグリ株式会社という大和証券グループの会社さんに第一号案件として購入いただきました。新規参入したいけど「農業って儲からないよね」と思われている方々に対して、農業でもしっかり儲かるような提案を今後もしていきたいと思っています。

三根 一仁 プロフィール

東京大学法学部卒業、大学在籍中に株式会社ジョブウェブ、株式会社シェイク等、数社のインターネットベンチャー企業の立ち上げ、企業買収を経験後、ソニー株式会社入社。ビデオ事業の経営企画/事業戦略に従事し、VHSの撤退戦略、Cocoonブランドの立ち上げ、スゴ録ブランドの立ち上げ等を経験。
2006年に株式会社insproutを創業し、インターネットサービス事業のひとつとして2015年に株式会社SenSproutをスタート。